入居者が粗相を繰り返したことが原因で、また凄惨な事件が起きてしまいました。
このような報道があるたびに、同業者として胸が痛みます。
介護の仕事は「あらゆる理不尽を受け入れる」覚悟が必要です。
粗相を繰り返すことくらいは理不尽とは言えませんが、心ない言葉を浴びせられたり、時には手を挙げられたりすることもないわけではありません。ただ、相手はこれまで社会を担ってきた「先輩」であり、自分のことを自分で完結できなくなった「弱者」です。
プロとして仕事をしている以上、それはそれとして受け入れる「度量」が必要です。
車を運転していて割り込まれたりした際に、腹を立てた経験は誰にでもあると思います。
そういえばそれが原因で殺人にまで発展した事件も報道がありました。
私たちは聖人君主でもなんでもなく、自分にとっての理不尽は受け入れがたいし、腹も立つということをまず認めること。
人間とはそれほど危うい存在であるということ、自分の弱さを認めること。
そのうえで、それを乗り越える「度量」をプロとして醸成していくこと。
そして組織としても、その弱さ・危うさを踏まえたうえで、それを越えれるだけの環境を醸成していくこと。
このような痛ましい事件を生まないためのイロハのイはそのあたりにあるのでは、と感じています。