ともづなのブログ

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施設長日記「介護のほんとのこと」

director's diary

病院が安心?

2018.3.20 up

私が病院に入職した約25年前は老人医療費の自己負担はほとんどなく、いわゆる「社会的入院」が問題となっていた時代でした。
「三食昼寝付き、ドクター付き」と揶揄されたものです。
時は流れ、介護保険制度が浸透してきた現代では、あらためて高齢者医療の在り方が問われています。
増え続ける老人医療費に対して、
① どのように予防していくか
② 終末期までを含めた医療と介護
の2点がメインテーマです。
この2つの問題に対処していくために介護保険は創設されました。
②は平たく言えば「どこで介護を受け、どこで死にゆくか」ということになります。
病院は「治療」の場所なので、その必要がないのにずっと居続けることはできません。
またその「治療」そのものも、終末期にむかう前提の中でどこまでが必要なものなのか?
そして長らく続いた医療過多の時代に我々国民に培われた「病院が安心」という依存心。
一筋縄でいかない問題を、日々の介護の中で実感しています。

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メッセージ

2018.3.7 up

医療保険は2年に1回、介護保険は3年に1回、時勢を鑑みて制度の改正が行われます。
つまり6年に1回、2つの保険が同時に改定されることになりますが、平成30年度(4月から)はちょうどこれにあたります。
そのため、この時期、医療・介護関係者は新しい制度への対応に追われます。
医療も介護もその原資は税金です。
限られた財源の中で、どのようにその原資を配分していくか?
一つ一つの制度改正には、未来への提言とでも言うべき国からの「メッセージ」が込められています。
地域で求めらているもの、国から求められているもの、何よりもご利用者自身から求められているものは何か?
常に柔軟な対応が出来るよう、肝に銘じています。

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読書

2018.2.23 up

人から勧められた本は身に付かないといわれます。
その時のその人にとっては、その内容が「腹落ちする」に至らなかったからです。
本は、ヒトが積み上げてきた経験値の集積です。
ヒトが生きるための真理は、時代や場所が違ってもそう大きく変わるものではないので、おのずと不変のものとなります。
ただ私たちは、経験値を伴わずにその不変のものに触れると、それを「当たり前のこと」「よく言われていること」と解釈してしまいがちです。
あたかも見栄え良く掲げられたスローガンや標語のように感じてしまうのです。
「当たり前のこと」「よく言われていること」を深く深く掘り下げると「不変の真実」に突き当たる。
痛い目やきつい目を経験して、他人事ではなく自分のこととして認識する。
そのうえで「不変の真実」に突き当たったとき、人は本当にそのことが「腹落ち」するのだと思います。
やっぱり、先人達が積み上げてきたことに敬意を表さずにはいられません。
だから、読書は素晴らしいことだと思います。

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イラッとすることもあります

2018.2.12 up

施設職員による虐待行為は、特定の個人の責任に転嫁されがちです。
もちろん、著しく適性を欠く職員による事例もあるでしょうが、原因はそれだけではありません。
私たちの経験値では
①ヒトはだれでも「イラっとする」ことを認め、どういうときにそのような感情となるか、またその回避手段を皆で共有すること
②職場のモラルの醸成に常に注力する
の2点が重要だと考えます。
介護の現場は、一般社会の通念から見れば理不尽なことの連続です。
そのようなことが、特に夜間帯職員が手薄な時、しかも重なって起きるなどすることもしばしばです。
ヒトは聖人君主でも何でもなく、イラッとすることもあることを認めること。
現在の状況がその危険性を孕んでいることを理解すること。
そして何よりも、職員がある程度余裕をもって業務できるよう、システムを構築すること。
そんなことをいつも考えています。

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ミスマッチ

2018.1.30 up

昨年の流行語大賞は「忖度(そんたく)」でした。
しかし、自分はどこまでいっても自分なので、相手の本心をおもんばかることは大変難しいものです。
職場の雇用関係においても、「ボタンの掛け違え」はありがちなことといえます。
「こんなはずではなかった」「思っていたものと違った」「自分には合わない」等々。
先日、
「働く女性の4割が仕事にやりがいを感じている一方、管理職になりたい人は2割にとどまる」(日本経済新聞)
「「出世したい」「出世しなくても好きな仕事を楽しくしたい」の二者択一の質問で、前者は46.6%。これに対して後者は53.4%だった。」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング)
との記事を読みました。
考え方は人それぞれですし、そもそもその調査自体が多様な要因を踏まえての結果でしょうから、一概には言えませんが、
「働くヒトが何を望んでいるか?」
「働くヒトが何をやりがいとして組織に貢献してくれるか」
を考えて、試行錯誤していくのも組織の役割だろうと思っています。

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働き方改革に思うこと

2018.1.19 up

働くヒトの「権利」は守られなければなりません。
資本主義経済が暴走すると、その権利を脅かす危険があるからです。
しかし、一方で働くヒトには「義務と責任」もあります。
私たちは提供者であると同時に受益者(消費者)でもあります。
自分が消費者の立場に立てば、相手には当然、義務と責任を求めるでしょう。
権利だけを主張して、義務と責任はどこかに置き忘れてしまうことは決してあってはなりません。
働く人の「権利」と「義務・責任」はワンセットなのです。

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ずっとあなたと一緒にいます。

2018.1.8 up

あるサイトに投稿されたお医者さんのお話です。
『高齢の治療を必要としない方の救急搬送が救急医療の危機を招いていて問題になっています。
このままいくと2025年には救急医療は崩壊するだろうと言われています。
脱水症状のときは、飲める時に数口でも、口腔内が渇かないように口を湿らせたりというケアを行います。
無理に水分を摂って頂いても誤嚥したりかえってご本人を苦しめることになるんです。
人間は枯れて死にます。
それが自然な死に方です。
余分な水分、栄養は体が必要としないんです。
必要以上の水分を摂ってしまうと浮腫ができたり痰が多くなって吸引を要しご本人を苦しめることになります。
点滴をしたり水分過多により浮腫でパンパンになっていて亡くなる前に体から水分が滲み出ている方を何人も見ました。
自然に枯れて死ぬことが一番苦痛の無い死に方だと今まで看取りをさせて頂いていて思います。
亡くなる前には医師でさえ何もできないんですよ。
誰であろうと、只出来ることは傍にいること。
何かあっても誰かがそこにいてくれるという気配です。
それが自分の大切な人であればなお嬉しいでしょう。』
・・・ご家族が常にそばにいることは難しい現状があるから、ともづなは存在します。
ずっと、あなたと一緒にいます。
ともづなが目指すケアはそこにあるのです。

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なくてはならない存在へ

2017.12.25 up

ヒトは一人では生きていけません。
企業も一人では生きていけません。
様々な関係者(ステークホルダー)とコミュニケーションをとらなければなりません。
その相手によって、コミュニケーションが報告であったり相談であったり、届け出であったり、連絡であったりします。
そこに関わる日々の事務的な仕事はそのための「準備」であるといえます。
準備はとても大切です。
なぜならそれが結果を左右するから。
でも「準備をすること」そのものが目的ではありません。
本当の仕事はその準備したものを踏まえて、相手に「理解して、納得して、満足してもらう」ことにあります。
そうやって、日々信頼を積み上げていくことが、なくてはならない存在になっていくことへとつながるのだと思っています。

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訪問調査

2017.12.10 up

現在、ともづなにはホーム入居者が55名、ショートステイ利用者が約20名おられます。
平均の介護度は3.8程度で、この方々が半年~2年の期間の中でその認定を受けています。
当然、ホームまたはショートステイ在籍中に認定更新がかかるため、職員が訪問調査にも同席することが多々あります。
基本的にはご家族にも同席をお願いしていますが、やはり一緒に生活しているわけではないので、状態や生活の様子等の伝達を委ねられることが多くなっています。
介護認定調査は、介護に要する状態を「時間」という尺度に落とし込んで度合いを決める作業です。
要するにその方の生活に「どれだけの手ががかるのか」ということですが、これがとても難しい。
なぜなら24時間を通して時間を共有しないと見えてこない問題がたくさんあるからです。
そこ数十分の調査や診察では見えないことが多々あります。
同時にその方の24時間の生活を一人の主介護者(ご家族)が支えることがいかに大変なことなのか。
それらを実感するとともに、その方の「現在(いま)」を一番把握しているのは自分たちであるという自負と責任を日々感じています。

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権限の移譲

2017.11.28 up

事業所を運営しているとそれについては常に葛藤があります。
「ホウレンソウは依存の文化」という人がいます。
曰く~その実態は、報告を求める側は信頼していない。我占めたいだけ。
報告を求められる側は、権限の移譲を求めつつ、心のどこかで依存している。~というもの。
権限と責任はセットです。
責任ある立場であればその覚悟を持たねばなりません。
指標はただ一つ、その行動は事業の目的に沿っているかどうかのみです。
事業の目的とはステークホルダーとの信頼を醸成すること。
そしてその醸成とは一朝一夕にはいかないこと。
その行動が地道な積み上げに貢献しているか?
日々、問いかけています。

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