私が病院に入職した約25年前は老人医療費の自己負担はほとんどなく、いわゆる「社会的入院」が問題となっていた時代でした。
「三食昼寝付き、ドクター付き」と揶揄されたものです。
時は流れ、介護保険制度が浸透してきた現代では、あらためて高齢者医療の在り方が問われています。
増え続ける老人医療費に対して、
① どのように予防していくか
② 終末期までを含めた医療と介護
の2点がメインテーマです。
この2つの問題に対処していくために介護保険は創設されました。
②は平たく言えば「どこで介護を受け、どこで死にゆくか」ということになります。
病院は「治療」の場所なので、その必要がないのにずっと居続けることはできません。
またその「治療」そのものも、終末期にむかう前提の中でどこまでが必要なものなのか?
そして長らく続いた医療過多の時代に我々国民に培われた「病院が安心」という依存心。
一筋縄でいかない問題を、日々の介護の中で実感しています。