ともづなのブログ

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施設長日記「介護のほんとのこと」

director's diary

あなたとずっと一緒にいます③

2016.8.7 up

~ どこで最期を迎えたいか?
ともづなでは、開設2年半で約20件いわゆる「看取り」を行いました。
50年前には在宅での死が80㌫を占めていたものが、現在では90㌫以上が病院で亡くなっているという現状があります。増え続ける医療費の問題とともに近年、過剰な延命に対して問題提起がなされるようになりました。
この問題は、最近メディアでも取り上げられているので見聞きされている方も多いかもしれません。
私たちは医師ではありませんし、ましてや神様でもないので軽々しいことは言えませんが、口から食べ物が入らなくなって、ともづなで最期を看取らせていただいた方たちは、本当に波が引くように静かに逝かれました。
それは私たちの2年半での実感からすると「神々しいもの」であり、決して「恐ろしいもの」「苦しいもの」ではありませんでした。
ホームで看取りを行うためには、ご家族が主治医の先生としっかり話し合われ、それをご理解・納得していただくことが不可欠です。
そして私たちは、その方の人生の最期の時間を共有させていただくわけです。
生活を共にする者(ずっと一緒にいる者)として誠心誠意、入居者様の「良い人生」のお手伝いをさせていただきたいと考えています。

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あなたとずっと一緒にいます②

2016.8.2 up

~ 介護が必要となったとき、どこで暮らしたいか?

この種のアンケートをとると自宅を望まれる方が大半を占めますが、それが現実的には困難であることも事実です(「ともづなの想い」参照)。
ただ、知っておいてほしいのはこの質問は「ラーメンを食べたことのない人においしいラーメン屋さんはどこですか?と聞いているようなもの」だということです。
自宅が「好きなようにできるから」だとしても、自分一人では「好きなようにもできなくなる」のが、介護が必要になるということなのですから。
ともづなは菊池市の地域密着型サービス(看護小規模多機能)を受けています。
生活圏の範囲内で適切な距離感をもって、安心安全な環境で生活する。
そういう選択肢もあるということです。

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あなたとずっと一緒にいます

2016.7.28 up

このコピーは「リスク管理」を表しています。
例えば赤ちゃんが高熱を出して救急外来を受診した場面を想像してください。
医師はお母さんに矢継ぎ早に質問します。
普段の生活や様子、その症状に至った経緯、現在の状況等々・・・。
あ母さんは切迫感をもって答えます。
少ない情報から現症を読み取ろうとする医師に、わが子を思って必死なお母さんはより正確な情報を的確に伝えようとするでしょう。
適切な「リスク管理」ができる施設とは、実はこれができるかどうかにつきます。
施設は病院ではないので、施設の中で「治療」ができるわけではありません。
一方、医師はその時の「現症」だけしかみえません。
その人の生活史や大げさにいえば人生そのものを見なければ、本当の意味での高齢者に対するリスク対応はできないでしょう。
その橋渡しをするのが、「ずっと一緒にいてくれる人」です。
いつも一緒にいるからこそ、いつもと違うことに気がついて、きちんと伝えられること。
簡単なようで、実は難しいことなのです。

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キャッチコピー

2016.7.23 up

施設を立ち上げる時、コンセプトを端的に表せるコピーを考えました。
「あなたとずっと一緒にいます」
「生活そのものがリハビリ」
の2つです。
既存の施設が陥りがちな、けれども相手からみたらこんなふうにしてもらえたら、というものを私たちなりに具現化するために、よりどころとなる「指標」を作っておくべきと思ったからです。
業務上の方法論やトータルでの支援方法に迷った時は、いつでもこれに照らします。
「リスク管理」と「自立支援」、
この相反する2つをいかにバランスをもって行っていくか?
そのことを私たちなりの「ことば」で表しています。

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日本の社会保障は大きく2段階に分かれている

2016.7.18 up

社会保障の中でも介護は、年金や医療と同様に国民が応分に負担して支える「社会保険」として成り立っています。
一方で、「社会福祉」は、「社会保険」だけでは対応しきれない福祉的なニーズ(虐待や貧困等)に対してそれを下支えするもので、最後のセーフティーネットといえます。
ゆえにこの部分には、圏域で総量枠が規制され、多額の社会保障費が投入されているのです。
障害者福祉や児童福祉、生活保護などともに老人福祉もここに該当します。
ともづなは前者の位置づけで、特養ホームは後者です。
社会保険と社会福祉、
この2つの制度や事業の混同を是正し、適切な役割分担をしていくことが重要なのです。

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いままでそうだったから

2016.7.13 up

政権は参院選挙前に増税を延期しました。
サービスの現場での実感は、これまで述べてきたように、「高齢者介護を取り巻く環境ひとつとっても様々な利権構造が渦巻いている」ということに尽きます。
要するに現在の既得権益を維持し続けるために、「増税しなければならない」ということなのでしょう。
増税は痛みを伴う改革ですが、権益の再調整はある意味もっと痛みを伴うものなのかもしれません。
その権益は、真に受益者のためのものとなっているか?
国民に負担を強いてでも、その権益は維持しなければならないものなのか?
「いままでそうだったから、これからもそうである」
闇雲にそれが通用する時代ではないはずです。

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「社会保障費」は伝家の宝刀?

2016.7.7 up

ともづなは、国の費用をなるべく使わずに、手厚い人員で良質なサービスを行っていると自負しています。
ともづなは、特養ホームで受けれないような方(医療依存度が高い、認知症状が重篤等)を積極的に受け入れています。
それでいて、入居者の負担も特養ホームと変わらない設定にしています。
職員の待遇も地域の実状に照らして遜色ないレベルに設定しています。
そして、事業としてきちんと利益を出し、雇用を生んで税金を払っています。
このような現状を理解した上で、それでも莫大な社会保障費を使って特養ホームが必要でしょうか?
多額の社会保障費を使って維持する「福祉」とは何なのか?
「特養が足りないから、社会保障費の増大が必要で、増税やむなし」
そう単純な話ではないのです。

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特養ホームは安くて、有料ホームは高い?③

2016.7.3 up

施設には看介護職員の配置基準という国が定めた遵守事項があります。
これは入所者○名に対して△名の職員が配置されているかで「○:△」と表記するものです。
一般的な特養ホーム(旧来の複数人部屋)の場合、「3:1」です。
これがユニット型の特養ホームになると「1.8:1」となります。
(ユニット型は一般的な特養ホームよりホテルコストが高く設定されていますが、それでも対象者は減額認定の適応となります。個室化・ユニット化しているため、一般的な特養ホームより個別対応の度合いが増し人員が多く必要となるためより手厚い人員配置となります。)
これに対して、ともづなは概算値でおおよそ「1.4:1」の人員を配置しています。
これは遵守事項というよりも、ともづなが考えるケアを実施していくために試行錯誤していった結果の数値です。
つまり、莫大な社会保障費が投入された特養ホームに比べて、ともづなは国の費用を約60~70%程度に抑えられているにもかかわらず、より手厚い人員を配置していることになります。

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特養ホームは安くて、有料ホームは高い?②

2016.6.29 up

住民税非課税世帯の方の場合は、特養ホームに入所するとホテルコスト(室料、食費等)が減額されます。
しかし、減額された分は当然ながらただディスカウントされるわけではなく、国が補てんをします(補足給付)。
また、特養ホームはその建設において多額の補助金が投入され、運営主体である社会福祉法人は基本的に非課税です。
このように、特養ホームには民間のホームに比べて莫大な社会保障費が投入されており、その額は入所者1人あたり年間180万~200万と試算されています。
つまり国から見たとき、介護4のAさんがともづなに入居して介護保険費用約30万円がかかるとすると、特養ホームに入所した場合はその1.5倍程度の費用がかかるということです(あくまで推計値)。

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特養ホームは安くて、有料ホームは高い?

2016.6.25 up

介護4のAさんが、特養ホームに入居した時と、ともづなに入居した時、どちらが費用がかかると思われますか?
特養ホームといってもその施設が多床室なのか、個室なのか(厳密には個室でも従来型なのかユニット型なのか)によっても違ってきますが、一般的には特養ホームが安くて、有料ホームが高いという認識ではないでしょうか?
実際には、年金が一定額以上ある方の場合(減額認定区分4段階)は、本人負担費用の合計はほとんど変わらないか、ユニット型等の個室の場合はかえってともづなのほうが安くなってしまう場合もあります。
ただし、住民税が非課税の方(減額区分認定2段階または3段階)は、いわゆるホテルコスト(室料、食費等)の減額が受けられるため、特養ホームが安くなります。このホテルコストの減額が、特養ホーム以外の有料ホーム等では適用となりません。
以上は本人負担分のお話になりますが、国から見た時にはまた違ってきます。
次回は、その辺りのところをご説明します。

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