介護保険のサービスは大きく、在宅系(デイサービス等)と入居系(ホーム等)に分かれますが、そこでのサービスの在り方は大きく異なると常々感じています。
デイサービスで利用者が見せる顔はいわば「よそ行き」のものです。
朝着てサービスを受け、夕方にはお送りする。
そこは「非日常」であり、よって「終わり」があります。
在宅でヘルパーサービスを受ける場合も、日常の一瞬を切り取ったその瞬間のものです。
終わりがあるものや一瞬のものは「取り繕う」ことも不可能ではありません。
対して「入居系」サービスには「終わり」がありません。
そこは生活であり、ずっと続くものなので、どんなに取り繕っても長続きはしません。
人間ですから、いい時も悪い時もありますし、ましてや高齢ですから自制のタガが外れてワガママや怒りが噴出することもあります。
ご入居されて、しばらくたってから職員を困らせるような言動や行動があると「あ~、慣れてこられたんだな~。ここが生活になったんだな~。」と素直に感じます。
そこで働く私たちは、そのような機微を包括できる「器」を備えなければなりません。
そして、「どんな生活を送っているか」が見えにくいからこそ、ご家族や地域に開かれた環境の整備に努めなければならないと感じています。