ともづなは生活の場なので、「明るく、開放的」というキーワードは大切です。
閉鎖的でなく、常に人が出入りしやすい環境のために、原則日中は各建物の正面玄関を開放しています(*注)。
しかし逆にいえば、認知症の方や情緒不安定な方がそこから出ていくリスクもはらんでいるということになります。
(私たちの業界ではこれを「離設」と呼びます)
「出て行くからその対策として鍵を閉める」
これだと生活の場としての観点を無視した旧来の病院や施設と同じです。
それは、こちら側の都合だけを考慮した対応とも言えます。
私たちの仕事は入居者と一緒にいること。
一緒にいるとは前提としてみておく (気にかけておく) ということです。
(これがなかなか大変ですけど・・・)
上記のような論点に加えて、防犯上の論点(不審者の侵入等)や消防法上の論点(緊急時の脱出を妨げない)も考慮せねばならず、つまりどうすべきかという明確な答えがあるわけではありません。
ただ、私たちの仕事は「 時間を共有すること 」であり「作業を終わらせる」ことではない。
ここだけは、こだわるべきところだと思っています。
*注 センサーや誘導表示などで事故防止の工夫は行っています